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院長コラム:片頭痛について(2)

片頭痛について(2)

前回は片頭痛の症状についてお書きしました。今回は片頭痛の原因・治療について書いていきます。片頭痛の原因については実ははっきりとわかっていません。現在、諸説がありますが、その中で三叉神経血管説という説が有力です。三叉神経血管説とは下の図のように頭の血管が時・場所を問わず発作的に拡張することでおこると言われています。血管が拡張すると血管の周囲にからみついている三叉神経が炎症を引き起こされて頭痛が生じるということです。ですから片頭痛の患者さんの多くは「ズキンズキン」とか「ドクドク」といった拍動性の頭痛を訴えることが多いのです。

院長コラム:片頭痛について(2)

このような原因で片頭痛がおこっていますので、片頭痛の治療は拡張した血管を元に戻して血管の周囲の炎症を改善させることです。これについては一般的に使用される鎮痛剤ではなく、トリプタンと呼ばれる片頭痛改善薬を使用することで効果があがります。

一般の鎮痛剤でも効果があがることもありますが、片頭痛の程度が強い人や片頭痛の頻度が多い人では鎮痛剤の効果がない人も多く、そのような場合にはトリプタンと呼ばれる片頭痛改善薬が有効な事が多いようです。

また片頭痛の頻度が多い人では片頭痛の発作頻度を減らしたり、片頭痛がおこった場合の頭痛の程度を軽減させれる予防薬もあります。この予防薬を使うと発作頻度が約半分になり、頭痛の程度が30%程度軽くなると言われています。

片頭痛自身は片頭痛改善薬や予防薬を使っても、おこらなくすることはできません。しかし、発作頻度を減らし上手にコントロールすることは十分可能です。片頭痛でお困りの場合には是非一度ご相談下さい。