パーキンソン病について
パーキンソン病について(1)
パーキンソン病は1817年にイギリスのジェームズ・パーキンソンにより初めて報告され、中年以降に発症し、筋力はあるものの、ふるえや体の動きがゆっくりとなる病気です。日本における有病率は人口10万人あたり100-150人でやや男性に多く、平均発症年齢は60歳代です。この病気に罹患された有名人も多く、公表しているケースでは岡本太郎、江戸川乱歩、三浦綾子などがいます。やはり有名なのはプロボクサーのモハメド・アリや俳優のマイケル・J・フォックスです。
パーキンソン病の特徴
2人ともにパーキンソン病発病前は普通の柔らかい顔つきですが、発病した後は顔つきが非常にけわしい、硬い顔つきになっているのがわかります。この表情もパーキンソン病の特徴的な症状の一つです。それ以外のパーキンソン病の症状には
- 安静時振戦
- 筋強剛
- 無動
- 姿勢反射障害などがあります。
安静時振戦=ふるえが静かにしている時におこり、物をもったり動かすととまる症状。筋強剛=患者さんの手首を回したり、屈伸させたりする時に抵抗を感じる症状。無動=動作がのろくなり、体を動かす運動量が減る症状。姿勢反射障害=立ったり・歩いたりする時に、バランスを崩して転びやすい症状。
これらが典型的なパーキンソン病の症状ですが、それ以外にすくみ足といって、なかなか歩くときの一歩目が出てこなかったり、足が床からなかなか離れない症状があったり、また先程のモハメド・アリやマイケル・J・フォックスのような顔つきが硬くなる仮面様顔貌なども特徴的な症状です。
パーキンソン病の初期では症状に左右差があるのが一般的ですが、徐々に症状は両側性になって、数年から数十年かけてゆっくりと起立や歩行が困難になっていく病気です。
来月は、パーキンソン病の原因や治療方法などについてお伝えする予定にしております。