糖尿病について
糖尿病について(3)
糖尿病を検査する際に必ず行う検査は空腹時血糖とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)です。皆さんがご存じの特定健診でもこの2つの項目で糖尿病をチェックするようになっています。空腹時血糖は読んで字のごとく、食事前の血糖値です。空腹時血糖は直前の食事内容や直近の食事からの経過時間によっても左右されます。一方、HbA1cは過去1-2ヶ月の血糖値を反映している検査項目で、直前の食事内容は全く反映されません。
HbA1cは糖尿病治療を行っている人のコントロールの指標にされています。この値を定期的に測定して、薬を増やしたり減らしたりしています。HbA1cの基準値は4.3~5.8%で、6.5%以上あれば糖尿病と診断されます。また特定健診での基準値は4.3~5.1%と厳しく定められています。
糖尿病で治療されている場合には下記の表を参考にして、治療状況を判断しています。正常値であります5.8%以下は優です。6.5%以下では良です。私は外来で糖尿病の患者さんにはHbA1cが6.5%以下にコントロールしていただきますよう口を酸っぱくして話しております。
下のグラフは昨年11月の1ヶ月間に当院で糖尿病で治療されている患者さんの採血結果です。男性が19人、女性が12人の計31人で、年齢は44~88歳で平均年齢は67.6歳でした。多くの患者さんはHbA1cが6.5%以下とまずまずコントロールされているのがわかります。HbA1cが高くなれば、合併症になる確率が当然高くなります。