しびれ
しびれ(5)
脳疾患からくるしびれ、頸椎疾患からくるしびれ、腰椎疾患からくるしびれとお届けしました。今回は末梢神経からくるしびれについてお届け致します。末梢神経からくるしびれの代表的な疾患が手根管症候群です。
手根管症候群は上の絵のように正中神経が手首のところにある手根管というトンネル様の構造の部分で圧迫されることによって、最初は人差し指、中指がしびれたり、痛んだりします。
手を振ったり、指を曲げ伸ばしたりするとしびれ・痛みは改善します。徐々に進行していくと、親指の付け根が萎縮してきて、OKサインができないようになってきます。
また診察時には、手関節の部分を叩くと痛みが指先に伝わる(テイネル徴候)所見があったり、手の背面同士を合わせてしばらくすると、しびれが悪化する(ファレンテスト)ようであれば比較的簡単に診断できます。
原因は、詳しくわかっていませんが一般的には妊娠・出産期や更年期の女性に多く、骨折などをしたり、手をよく使う仕事、血液透析をしている人などがおこりやすいと言われています。
治療としては、まず消炎鎮痛剤やビタミンB12などの内服薬や湿布などを使い、手をあまり使わないように安静にすることを行います。
それでも改善ないようであれば、手根管内にステロイドを注射をして炎症を鎮めるような治療を行うこともあります。
そのような治療を行っても改善がないケースや、親指の付け根が既に萎縮しているようなケースでは最終的には手術を行うこともあります。
手術は、手根管の直上の皮膚を3-4cm程度縦に切開して、肥厚している手根管を解放して正中神経の圧迫を除去する手術を行います。
最近では内視鏡下に手術をするケースもあり、傷口が殆ど目立たずに手術ができるメリットがあります。