タバコをやめよう
タバコをやめよう(4)
たばこの煙を主とする有毒物質を長期間吸入することによって生じる肺の炎症による病気をCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼びます。これは喫煙による酸化ストレスや炎症、タンパク質分解の調節バランスが崩れることなどで肺の組織を障害するような生体反応がおこり、気管支と肺胞が下の図のように障害されることによって諸症状をおこすようになります。
主な症状は慢性の咳(せき)、痰と労作性(ろうさせい)の息切れ(体を動かした時に出現する息切れ)です。ゆっくりと進行し典型的な身体所見も重症になって初めて現れることが多いため、早期に気づきにくいことが特徴です。重症になると呼吸不全に至り、息苦しさのために日常生活ができなくなったり、かぜなどをきっかけに急に症状が悪化することを繰り返すことになります。
COPDの患者数は全世界的に増加しており、2020年までに全世界の死亡原因の第3位になると推測されています。日本では2000~2001年に行われた疫学調査により、40歳以上の成人の8.5%、530万人がCOPDに罹患していることが明らかになりました。
一方、調査でCOPDと診断された人の90%が、それまでにCOPDと診断されていませんでした。
COPDの原因の約90%は喫煙です。禁煙にすることによって、上のグラフのように呼吸機能も非喫煙者の状態にちかづくことが知られています。その効果は何歳になっても呼吸機能は改善すると言われています。
またCOPDの症状である咳・息切れ・痰などの症状も禁煙することによって軽快します。
COPDをおこしていない喫煙者の人でも、禁煙することによって先程書きました呼吸器症状が概ね軽快してきます。