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院長コラム:便秘について(2)

便秘について(2)

少しデータは古いのですが、平成10年度の厚生労働省の調査によりますと便秘の患者さんは65歳以上で1000人あたり男性70.3人、女性93人となっています。また70歳以上では1000人あたり男性87.1人、女性100.7人となっており、便秘は男性より女性に多く、年齢が上がれば上がるほど患者さんの数が増える疾患のようです。


これにはいくつかの理由があるようです。

  • 女性は男性に較べて排便に必要な括約筋、腹筋の力が弱い。
  • 外や人前で便意を催した時に、気恥ずかしさもあって排便を躊躇したり我慢したりする傾向があり、排便のリズムが狂いやすくなる。
  • ダイエットすると腸の蠕動運動がおろそかになる。
  • 女性ホルモンは体内に水分を蓄積しようとする。その結果、排便に十分な水分が補給されなくなってしまう。
  • 骨盤が広いので腸が下垂しやすくなり、腸が不安定になる。
  • 便秘薬の乱用により、かえって排便しずらくなる。

では、このような状況で便秘を解消する方法について説明していきます。薬による治療法については次回説明します。今回は習慣や食物の摂取についてです。

  • 毎日決まった時間にトイレに行く習慣をつける。排便しようと努力する。
  • 積極的に運動を行うようにする。腹筋を鍛える。
  • 腹部のマッサージを行う。
  • 起床時に冷たい水や牛乳を飲む。
  • 1日3食きちんととり、食物繊維摂取に心がける。
  • 十分な水分を摂取する。

食物繊維が多く含む物を下に示します。食物繊維は一度に大量に摂取してもあまり意味はなく、定期的にきちんと摂取することが肝要です。

果物 ・リンゴ ・モモ ・ラズベリー ・オレンジ
野菜 モロヘイヤ ・カボチャ ・ブロッコリー ・キャベツ ・ニンジン ・カリフラワー ・ホウレンソウ  ・ズッキーニ
パン/穀物/豆類 ・ウズラマメ ・ソラマメ ・シリアル ・こんにゃく ・きな粉
海藻 ・わかめ ・ひじき
院長コラム:便秘について(2)

来月は便秘薬についてお届けします