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院長コラム:クモ膜下出血について(1)

クモ膜下出血について

「クモ膜下出血」と言えば激しい頭痛で発症する死亡率の高い危険な病気です。また高齢者だけでなく、30~50歳代の働き盛りの年代にも多く発症する病気です。

クモ膜下出血とは脳の血管の分岐部に脳動脈瘤(写真1)という血管のコブが突然破裂しておこる大変怖い病気です。症状は突然激しい頭痛が出現します。それは頭をハンマーで激しく殴られたような強い頭痛というのが特徴です。

院長コラム:クモ膜下出血について

人口1万人あたり1年間に2人ほどクモ膜下出血を発症すると言われており、春日市であれば人口が約11万人ですから、1年間に22人程度発症すると考えられます。クモ膜下出血は脳卒中で唯一女性の頻度が高く、グラフ1で示しますように年齢も50~70代が中心ですが、20~80代まで各年代まんべんなく発症するのも特徴です。

クモ膜下出血の怖い理由は死亡率が大変高いところにあります。秋田県での調査ではクモ膜下出血をおこした場合には43%が死亡し、7%が全介助状態(日常生活に全面的に介助が必要な状態)、12%は日常生活に部分的に介助が必要で、日常生活が自立した状態になるのは38%しかいませんでした。クモ膜下出血は、それくらい厳しい病気です。

次回はクモ膜下出血の治療について説明致します。

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