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院長コラム:骨粗鬆症について(1)

骨粗鬆症について(1)

骨粗鬆症とは、「低骨量でかつ骨の微細構造が劣化し、その結果骨がもろくなり骨折をおこしやすい全身性の骨疾患」と定義されています。文章で書きますと長くて何かわかりにくいのですが、下の写真を見ると一目瞭然です。左が正常な人の脊椎の骨で、右が骨粗鬆症の人のものです。骨粗鬆症の人では、随分骨密度が低下していて、中がスカスカしているのがよくわかります。

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わが国の調査で一般住民での40歳以上の骨粗鬆症患者数は1280万人(男性300万人、女性980万人)と推計されています。また40-79歳の住民を対象とした骨粗鬆症の年間発生率は、男性で0.6%女性で2.3%とされています。下のグラフには、年齢別の骨粗鬆症発症率を示しています。年齢とともに骨粗鬆症の発症率が増加しているのが観察され、特に女性に多いのがよくわかります。

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中年期以降、骨は加齢とともに骨密度が低下し、骨質が劣化して、骨強度が低下していきます。特に女性では閉経期とその後の数年間に骨密度が急速に低下する。このような自然な過程に加えて遺伝的要因、幼少期~思春期からの栄養不足、運動不足、生活習慣などによって骨粗鬆症がおこるものと考えられています。

骨粗鬆症の初期は自覚症状が少ないため、骨折して初めて病気を自覚することも少なくありません。病気が進むと、背中や腰が激しく痛む。右の絵のように脚の長さは変化ないのに身長が縮む。背中・腰の曲がりが目立つ。転んだだけで骨折するなどの症状が現れます。

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