池田脳神経外科TOP > 院長コラム:便秘について(3)
便秘について(3)
2ヶ月にわたって便秘についてお届けいたしました。今月は便秘薬についてお届けいたします。便秘薬については大きくわけて4つのタイプがあります。
(1) 塩類下剤(酸化マグネシウム・マグラックス・マグミットなど)
便の水分を保持することで便を柔らかくして、量を増やして作用する薬です。酸化マグネシウムは粉薬ですが、マグラックス・マグミットは成分は同じで錠剤です。
1日0.5~2g程度を適宜調節して処方します。
(2) 刺激性下剤(プルゼニド・センノサイド・アローゼン・ヨーデルS・セチロ・ラキソベロンなど)
胃では吸収されず、大腸にて作用し大腸粘膜を刺激して、反射性に蠕動運動をおこす薬です。効果発現までに数時間から12時間程度かかるので就寝前に内服することが一般的です。
このタイプの下剤は頻用すると下剤の刺激なしでは排便がなくなることもあり、慢性的な使用は望ましくありません。また大腸を刺激して便通を良くする薬なので、効果が強すぎると腹痛をおこしますので注意が必要です。
(3) 坐薬・浣腸(レシカルボン坐剤・テレミンソフト・グリセリン浣腸など)
速効性を期待する場合には坐薬か浣腸を行います。いずれも腸管を刺激して排便を促しますが連用してはいけません。レシカルボン坐剤は直腸内で炭酸ガスが発生し、腸の運動をおこして便秘を解消させます。人により効果発現に差がみられますが通常20分程度で効果がでます。グリセリン浣腸は直腸を刺激して排便を助けます。体温程度に温めて使用して下さい。高齢者・全身状態が悪い患者さんでは使用することによって急激な血圧低下をきたすことがありますので、30~60ml程度の量から注意して使用することが望まれます。
(4) その他
下剤ではないがプリンペラン・ナウゼリンなどの吐き気止めや、ガナトン・セレキノン・ガスモチンなどの腸管の運動を改善させる薬や、コロネル・ポリフルなどの腸管内で水分を吸収し便を柔らかくさせる薬なども便秘を改善させる効果があります。