池田脳神経外科TOP > 院長コラム:片頭痛について(1)
片頭痛と言えば「脳もち」とか「頭痛もち」とか言われ、慢性的に頭痛がおこる患者さんの総称のように使われています。片頭痛とは慢性頭痛の代表的な病気なのですが、実はちゃんとした診断基準というものを2004年に国際頭痛分類というところが以下のような頭痛を片頭痛と呼ぶように定めています。
1 頭痛の性状は以下の特徴の少なくとも2項目を満たす
- 片側性
- 拍動性 (ズキンズキン・ガンガンなど心臓の鼓動のように痛む。)
- 中等度~重度の頭痛 (休みたくなるほど痛い頭痛)
- 日常的な動作(歩行や階段昇降など)により頭痛が増悪する。
2 頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす
- 悪心または嘔吐(あるいはその両方)
- 光過敏および音過敏(光がまぶしくなったり、音に敏感になったりする)
3 その他の病気での頭痛ではない
片頭痛は女性に大変多い病気で男女比は1:5です。年齢別では30歳代に最も多く、30歳代では5人に1人は片頭痛もちと言えます。ですから女性にとっては非常に頻度の高い病気です。
発症年齢としては10歳代が多く、約半分は10歳代で発症し、続いて20歳代が約1/4で、その次は10歳未満の発症が1割強いらっしゃいます。当院で最も若い人は幼稚園の年長児からいらっしゃって、小学生の片頭痛は決して珍しくありません。
また片頭痛には遺伝歴があって、母親が片頭痛もちであればその娘さんの約50%、息子さんであれば約20%は片頭痛になる可能性があります。当院でも親子で通院されていらっしゃる患者さんが結構いらっしゃいます。来月は更に原因・治療について書きたいと思います。