池田脳神経外科TOP > 院長コラム:肺炎球菌ワクチンについて
肺炎球菌ワクチンについて
下の表は日本人の四大死因の年次推移です。現在は(1)がん (2)心臓病 (3)脳卒中 (4)肺炎という順番になっていますが、日本は高齢化が進んでいますので、ちかい将来肺炎が脳卒中を抜いて日本人の死因の第三位になると予想されています。というのも肺炎でなくなる患者さんの95%が65歳以上の方だからです。われわれにとって肺炎はなじみのある病気で、それ程の重篤感はないと思いますが、高齢者にとってはあなどれない非常に怖い病気です。
肺炎の原因菌を下に示しました。原因菌がはっきりしないケースも約1/3ありますが、原因菌で最も多いのが肺炎球菌という菌で、全体の28.0%を占めています。それ以外にもインフルエンザ菌やマイコプラズマなど比較的聞きなじみのある菌が続きます。しかし、インフルエンザシーズンになると様相が異なり、肺炎球菌の割合は55%まで増加します。
ワクチンの接種について
そのような中で2006年から肺炎の原因菌で最も頻度が高い肺炎球菌ワクチンの接種ができるようになりました。
このワクチンを接種すると肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぐことが可能になります。
予防接種ですので、保険は適用されず自費診療になります。当院では8400円いただいておりますが、1回の接種で5年以上免疫が持続しますので、1年ごとのインフルエンザのことを考えますと決して高い物ではないと思います。
- 65歳以上の方
- 慢性閉塞性肺疾患の患者さん
- 糖尿病の患者さん
- グループホームや老人ホームなどで居住中などの方は接種が勧められています。