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院長コラム:禁煙治療について

禁煙治療について

日本人の喫煙率は平成18年の調査では男性が39.9%、女性が10.0%でした。平成元年の喫煙率は男性が55.3%、女性が9.4%ですから男性の喫煙率は減少していますが、女性は上昇傾向です。

他の国の喫煙率は米国は男性27.6%、女性22.1%。オーストラリアは男性27.1%、女性23.2%、イギリスは男性29.0%、女性28.0%、韓国は男性60.5%、女性5.9%というような結果でした。先進国では後進国に比較して喫煙率は低いが、女性の喫煙率が高い傾向にあり、アジアでは男性に較べて女性の喫煙率が低いという結果でした。

日本は他の先進国に比較すると喫煙率が高い理由としてはタバコの値段の安さが原因の一つだと考えられています。日本は1箱300円程度ですが、米国は540円、オーストラリアは500円、イギリスは800円、韓国は130円程度と先進国の中では安く設定されています。

ではなぜタバコはいけないのでしょうか?

皆さんご存じのようにタバコの煙にはニコチン、種々の発ガン物質、一酸化炭素、その他沢山の有害物質が含まれています。下記の表のように喫煙者は非喫煙者に比較すると多くガンが発生する事がよく知られており、更に日本人の三大疾病でもある心臓病、脳卒中の危険性も高くなります。

タバコは従来から嗜好品として考えられました。しかし現代ではタバコは依存性を持った薬物だという認識になっています。平成20年4月からは禁煙したい人はニコチン依存症という診断で医療保険が適用されるようになりました。従来から使われているニコチンパッチやニコチンガムだけでなく、内服薬での禁煙治療もできるようになりました。禁煙に対する社会的ならびに医療の面での環境整備が十分なされるようになっているのです。

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禁煙の効果

禁煙しますと下記の表のように禁煙の期間に応じて、病気の危険性が少なくなります。是非、この機会に禁煙について真剣に考えてみてはいかがでしょうか?

20分 血圧が正常になる。
8時間 血液中の酸素濃度が正常になる。
24時間 心筋梗塞のリスクが減る。
48時間 味覚、嗅覚が回復し始める。
2週間~3ヶ月 循環機能が改善。歩行が楽になる。
1~9ヶ月 咳、疲労、息切れが改善する。
5年 肺がんのリスクが半分に減る。
10年 肺がんのリスクが非喫煙者と同程度になる。