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子宮頚ガン予防ワクチンについて
2007年に「負けないで」「揺れる想い」などで有名なZARDの坂井泉水さんが子宮頚ガンを患っていることを公表し、世間の注目をあびました。日本では1年間に15,000人の女性に子宮頚ガンが発症していると報告されてます。下のグラフに示すように20~30歳代で急激に患者さんが増加します。
子宮頚ガンは他のガンと異なり、原因が究明されています。子宮頚ガンの原因は、ほぼ100%ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染です。多くの場合、性交渉によって感染すると考えられています。すべての女性の約80%が一生に一度は感染しているという報告があり、ありふれたウイルスですが、性行動のあるすべての女性が子宮頚ガンになる可能性を持っていることになります。
ヒトパピローマウイルスに感染しても感染は一時的で、多くは自然に排除されます。しかし、ウイルスが自然に排除されずに長い間感染が続くと数年から十数年かけて子宮頚ガンを発症する場合があります。
子宮頚ガンワクチンは、ヒトパピローマウイルスの16型と18型の感染や前ガン病変の発症を予防する効果が確認されていて、子宮頚ガンを予防できると考えられています。海外ではすでに100ヶ国以上で使用されています。日本では2009年10月にやっと承認され、2009年12月22日より一般の医療機関でも接種することができるようになりました。下記の表のように初回接種から1ヶ月後と6ヶ月後の3回注射を施行することで予防効果が得られることになっています。
このワクチンは保険診療ではなく、自費診療になり、当院では1回15750円いただいております。