池田脳神経外科TOP > 院長コラム:メニエール病について
メニエール病について
外来で患者さんに今までどんな病気をしましたかと聞くと、メニエールをしましたとよく聞きます。メニエールという病気はどんな病気ですか?と聞きますと「グルグルめまいがする」病気ですと答えられます。メニエールというと難しくてもっともらしく聞こえますが、メニエールとは1799年生まれのフランス人の医師の名前で、彼は当時「めまいは脳の病気」という概念を「耳の病気」でおこることを明らかにした人です。
メニエール病とは耳鳴・難聴・めまいの三症状を繰り返しておこす病気で、厚生労働省はメニエール病を難病として難治性疾患の130疾患の一つに認定しています。やや女性に多く、年齢は30歳代~40歳代に多い病気です。 症状としては三徴(耳鳴・難聴・めまい)だけでなく、耳閉感や聴覚過敏などの症状も併せておこります。メニエール病は症状と病歴だけで診断する病気で、診断の決め手になる特定の検査方法はありません。メニエール病は初期には、他のめまいを来す疾患との鑑別が非常に難しいのですが、めまい発作を繰り返すことで耳鳴・難聴の症状が持続するために発症中期以後は比較的診断は容易になります。
症状が進行していきますとメニエール病の20~30%は両方の聴力を消失すると言われています。ですからメニエール病とは大変怖い病気なのです。有病率は人口10万人あたり15~18人と稀な病気です。我々の周りでも多くの患者さんがいるように思えますが、本当のメニエール病というのは実は稀な病気と言えます。
メニエール病の原因は実はよくわかっていませんが、内耳の中で内リンパ液の貯まりすぎによっておこるとされています。なぜ内耳に内リンパ液が貯まるかは不明で、ウイルス説、内耳の循環障害説、自律神経失調説など諸説ありますが詳しいことはわかっていません。
メニエール病の治療
メニエール病の治療は
- 生活療法
生活療法としては規則正しい生活を送ることや、喫煙している場合は禁煙することです。 - 薬物療法
薬物療法は高浸透圧利尿剤(イソバイド)、ビタミン剤(メチコバール)、末梢血流改善剤などを使うことが一般的です。 - 手術
にわけられます。
それでも症状が進行し、めまいがコントロールできない場合や、聴力の悪化傾向が強い場合には手術を行うことがあります。
これらの情報は難病治療センターのホームページ(http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/113.htm)にも詳しく記載されていますので、是非ご参照下さい。