池田脳神経外科TOP > 院長コラム:風邪(2)
風邪(2)
前回説明しましたが、風邪=副鼻腔炎(鼻症状)+咽頭炎(のど症状)+気管支炎(胸症状)です。ウイルス感染が原因で、発熱を伴う事が多い病気と言えます。以前も書きましたが、インフルエンザと風邪は異なり、インフルエンザは原因がインフルエンザウイルスで高熱を伴い、全身の関節痛や倦怠感などを伴うもので、上記した風邪症状(鼻症状・のど症状・胸症状)が少ないことが一般的です。ですからインフルエンザワクチンを接種しても風邪をひかないと言うわけではありません。
風邪症状はひとそれぞれで、鼻症状が主体だったり、のど症状や胸症状が主体だったりします。全ての症状がそろうことのほうが少ないと思います。風邪は一般の方でも診断しやすい病気ですので、市販薬の総合感冒薬という薬を利用される方も多くいらっしゃいます。総合感冒薬は風邪でおこる全ての症状に対応しているという意味の薬です。最近は鼻かぜ用・のどかぜ用などと症状が強いものにターゲットを絞って成分を使い分けている薬もあるようです。
医療機関で処方する薬にも総合感冒薬があります。代表的なものがPL顆粒という薬です。
PL顆粒は4種類の成分が一緒になった薬です。
炎症を抑える薬である(1)サリチルアミド。商品名ではカロナールという名前の解熱鎮痛剤である(2)アセトアミノフェン。抗アレルギー薬である(3)プロメタジンメチレンジサリチル酸塩。上記した(1)~(3)の薬の効果を強めるために(4)無水カフェインという4種類の薬の合剤になっています。
ですから発熱・頭痛・鼻症状・のど症状・胸症状など全ての風邪症状に対応した薬と言えます。しかし、PL顆粒は合剤になっていますので(1)~(3)の単体しての薬の量としては少なめの設計になっています。また、昔のタイプの抗アレルギー薬が入っていますので、PL顆粒を内服すると眠気が強く、のども乾きやすいなどの問題点も同時に含まれます。ですから私自身はPL顆粒をあまり処方する頻度は多くありません。
基本的には風邪の内服処方は患者さんの症状に応じて処方することが一般的です。私自身も総合感冒薬を処方するのではなく、鼻症状・のど症状・胸症状のそれぞれに応じた形で処方するように心がけています。