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高血圧について(3)
降圧薬は血圧を下げる機序によって8種類のタイプに大きく分けられます。下の図を参照下さい。
- β(ベータ)遮断薬
- Ca(カルシウム)拮抗薬
- ACE阻害薬
- ARB受容体拮抗薬
- 直接的レニン阻害薬
- 選択的アルドステロン阻害薬
- 利尿薬
- α(アルファ)遮断薬
それぞれの薬は心臓・腎臓・血管などに作用して血圧を下げるという働きを担っています。これらの薬で汎用されているものは(2)(3)(4)(7)などの薬です。
「血圧の薬は一回飲み始めると一生飲まないといけない」という誤った考え方が広まっていますが、決してそんなことはありません。飲み続ける方が多いのは事実ですが、高血圧は生活習慣病ですから塩分を減らしたり、運動を始めたり、体重を減らすことで血圧が下がります。ですから、生活習慣を改善すれば薬を中止することは十分可能です。
今年6月の1ヶ月間に高血圧の治療で当院を受診された患者さん136人を対象に、どのような薬を内服しているかということを調べた結果が右の表です。2種類以上の降圧剤を内服されている患者さんが約半分いらっしゃるという結果でした。
降圧剤が1種類の患者さんの90%が(2)のCa拮抗薬か(4)のARB受容体拮抗薬でした。2種類内服の2/3の患者さんは(2)+(4)を併用されている状況です。
(2)のCa拮抗剤も(4)のARB受容体拮抗薬もどのような高血圧のタイプでも血圧を下げる力が強く、また副作用が少なく、使いやすい薬であるためだと考えられます。
現在、高血圧で内服中の患者さんは一度、どういうタイプの薬を内服しているのか調べてみることも大事ではないでしょうか?