池田脳神経外科TOP > 院長コラム:耳鳴り(5)
耳鳴り(5)
1) 代謝改善薬
- アデホス・ATP・・・血管を拡張させ、内耳の血流を増加させ、内耳機能を改善させることによって耳鳴りを抑える働きがある。
- ノイキノン・ユビキノン・・・前述したアデホス・ATPに似た作用機序の薬
2) 循環改善薬
- ストミン・・・唯一耳鳴りに適応のある薬。ニコチン酸アミドという末梢血管を拡張させる作用のビタミン剤と塩酸パパベリンという血管拡張剤の合剤です。TVなどでCMされています小林製薬のナリピタンは、このストミンとほぼ同じ薬剤です。
- カルナクリン・・・末梢血管を拡張させる薬で高血圧・メニエール症候群・閉塞性血栓血管炎などに適応のある薬剤です。同系統の薬にサークレチンS・カリクレインなどという薬があります。
- ケタス・サアミオン・・・何れも脳循環及び脳代謝改善薬です。一番最初に耳鳴りのメカニズムを説明するのにラジオの説明を行いました。耳鳴りは内耳の問題だけでなく、脳に問題があるケースもあり、このような薬で耳鳴りに効果があるケースもみられます。
- メリスロン・セファドール・・・何れもめまいなどで使う薬剤です。機序としては血管拡張に伴う、内耳機能改善です。内耳機能改善によるめまいだけでなく、耳鳴りも改善することがあり使われます。
3) ビタミン剤
- ユベラニコチネート・・・ビタミンE製剤です。ビタミンEは末梢血流改善作用があり、しもやけなどにも使います。
- メチコバール・・・ビタミンB12製剤です。末梢神経の障害の際に使用します。他の様々な疾患でも使用することが多い有名な薬剤です。
上記した薬以外では、デパケン・ランドセンなどの抗てんかん薬などを使うこともあります。