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院長コラム:もやもや病(3)

もやもや病(3)

先々月からもやもや病についてお届けしています。今月はもやもや病の検査・治療についてお届け致します。以前は、もやもや病の診断には脳血管撮影が必須でしたが、現在は非侵襲的なMRI・MRAによって診断することが可能になっています。当院も開設丸6年で新規に5人のもやもや病患者さんを診断することができました。

もやもや病の発病に遺伝的要因があることはわかっていますが、未だに原因不明で下記のケースのように以前は全く正常所見だったものが、徐々にもやもや病になっていくケースがみられます。何がきっかけでもやもや病になっていくかがわかれば、家族歴のある患者さんがもやもや病にならずにすむことになりますので、これからの研究が大きな鍵になっていくと思われます。

院長コラム:もやもや病(3)

手術方法には2通りの方法があります。下の図にありますように頭皮の血管を直接脳表の血管にバイパスする直接的血管吻合術と、頭皮の血管を脳表にしきつめて脳血流を間接的に増やす間接的血管吻合術の2通りの方法があります。成人ですと頭皮の血管も脳表の血管も比較的大きいので、直接的なバイパス術が選ばれる事が多いのですが、小児では何れの血管も小さいので間接的なバイパス術を行うことが多いようです。

院長コラム:もやもや病(3)

ここで問題なのは手術がうまくいったとしても、もやもや病は経過によって、脳梗塞を発症したり、脳出血を発症したりすることがあります。ですから手術後も定期的に脳神経外科での通院を行い、症状のチェックとMRI画像などでの定期的な観察が必要になります。