池田脳神経外科TOP > 院長コラム:脳出血について(5)
脳出血について(5)
前回は脳出血の内科的治療についてお届けしましたが、今回は脳出血の外科的治療についてです。前回もお話しましたように脳出血で手術するケースは全体の1/5程度です。手術方法については大きく(1)穿頭手術 (2)内視鏡を使った手術 (3)開頭手術に分けられます。
(1)穿頭手術
この方法は局所麻酔で行う手術方法です。出血がある部位の前頭部に1円玉程度の穴をあけて、脳の表面から血腫に向かって針を刺し、血腫を注射器などで吸引する方法です。手術時間は15-30分程度です。右の写真は53歳の患者さんで右脳出血です。右前頭部に穴をあけ て、チューブを挿入しています。左のCTが手術前で、右のCTが手術後です。血腫が十分とれているのがわかります。
(2)内視鏡手術
この方法は全身麻酔で行います。右のような内視鏡を使ってテレビモニターなどで観察しながら血腫を摘出していきます。64歳の患者さんで左脳出血です。左後頭部に穴をあけて、内視鏡で血腫を摘出しました。左が手術前で、右が手術後のCTです。最近は、このような手術が主流になりつつあります。
(3)開頭手術
この方法は全身麻酔で大きく開頭して行う手術です。手術時間は2時間程度かかります。右の写真は私が以前執刀した手術の写真です。このように顕微鏡を見ながら手術を行います。開頭手術を行うケースは、左の手術前のCTのように大きい出血の時に行います。