池田脳神経外科TOP > 院長コラム:タバコをやめよう(6)
タバコをやめよう(6)
医学的には、タバコを吸うことを病気ととらえていて、「ニコチン依存症」という診断名をつけています。一般的に依存症と言いますと、日本では比較的に少ないですがヘロイン・コカインといった危険性の非常に高い禁止薬物を思い出します。しかし、ニコチン依存症はそれらの禁止薬物と同等の危険性があると言われています。
各依存症でいいますと、依存症になる人の割合は?
ニコチン > ヘロイン > コカイン > アルコール > カフェインの順番とされています。
また、依存症になった人での禁断症状の強さは?
アルコール > ヘロイン > ニコチン > コカイン > カフェインの順番とされています。
このようにニコチンの依存というのは、ヘロイン・コカインといった禁止薬物と同等もしくは、それ以上の強さです。では、なぜそのようにニコチンに対する依存が強くなるのかと言いますと、人間は喫煙すると7-8秒後には下記の図のようにたくさんの生理物質がでてきます。それぞれの生理物質は、食欲を抑制したり、気分を落ち着かせたり、不安緊張の軽減などの働きがあるために、喫煙することで無意識にそれぞれの状態を安定化させるような働きを作るからです。
ですから喫煙している人が、喫煙しなくなりますと下記のような生理物質が体の中にでてきませんので、無意識にも体がタバコを欲するようになるわけです。
禁煙による症状としては、(1)不快または抑うつ気分 (2)不眠 (3)易怒性、欲求不満、または怒り (4)不安 (5)集中困難 (6)落ち着きのなさ (7)心拍数の減少 (8)食欲増加または体重増加だと言われています。若い女性の中には体重を増やしたくないという理由だけでタバコを吸う人もいるようですが、私はとんでもない話だと思います。次回は当院で行っている禁煙治療について具体的に説明していきたいと思います。