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院長コラム:てんかんについて(3)

てんかんについて(3)

国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 名誉院長、八木和一らの報告によりますと、てんかんの発病年齢は右のグラフのように5歳までが36%で、6~11歳までが約27%、12~17歳が約22%、18歳以後が約15%発病すると報告しています。しかし、最近アメリカやイギリスで高齢者のてんかん患者の割合が増加しているとの報告があり、我が国でも少子化が更に進み、かつ高齢化が進むことで大人になってからてんかんを発病する割合が増えると予想されています。

てんかんには、よく似た病気もしくは紛らわしい病気がいくつか見られます。大人と子供で少し違いがありますので、別々に表記します。

院長コラム:てんかんについて(3)

てんかんと鑑別するべき疾患(成人)

(1)失神 (2)心因性発作 (3)過呼吸やパニック障害 (4)脳卒中 (5)急性中毒(薬物・アルコール)
(6)低血糖など (7)急性腎不全 (8)頭部外傷後

てんかんと鑑別するべき疾患(小児)

(1)熱性けいれん (2)憤怒けいれん (3)睡眠時ミオクローヌス (4)夜驚症/夢遊病 (5)チック
(6)失神 (7)心因性発作 (8)低血糖など

上記のようにてんかんの症状によく似ていても、異なる疾患が多くあります。ですからてんかんの診断は専門医が十分注意して行うことが求められます。我々は下記のよう手順で慎重に診断を行っています。

(1) 詳細な病歴聴取・身体的な診察(発作時の状況を十分確認することが大事です。)

(2) 脳波検査

(3) 画像検査(MRI・CT)

(4) 確定診断

(5) 投薬・治療