池田脳神経外科TOP > 院長コラム:糖尿病について(2)

院長コラム:糖尿病について(2)

糖尿病について(2)

前回は糖尿病の現在の患者数やコントロールが難しい点 や危険因子などについて説明致しました。今回は合併症の怖さについて説明していきます。糖尿病は3大合併症が非常に有名です。3大合併症とは、図1にありますように、成人の失明の原因第2位であります網膜症。血液透析の原因の第1位である腎症。それに神経障害のことです。

糖尿病は3大合併症だけではなく、図1にありますように脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症などの病気を加速させる原因疾患にもなります。私の専門とする脳梗塞でいいますと下の図2にありますように、脳梗塞の男性では正常の人に比較すると3倍脳梗塞になりやすいと報告されています。

院長コラム:糖尿病について(2)

3大合併症の話をする際には、いつも亡くなった歌手の村田英雄さんを例にあげて説明しています。村田さんは40歳代前半糖尿病を発症しています。糖尿病が原因で60歳代心筋梗塞を発症し、心臓のバイパス手術を行われ、その後右足を膝から下で切断し、その後左足も切断されました。しかし、皆さんご存じのように73歳で亡くなるまで歌手として活動されただけではなく、糖尿病についての体験を語られる講演会活動も積極的に行われていました。合併症があっても通常の生活を送ることは可能ではありますが、やはり大変な生活であったことだと思われます。

現在は住民健診で検尿・血糖・HbA1c(過去1-2ヶ月の血糖の推移を示す項目)などで簡単に糖尿病を見つけることができます。しかし、健診をうけない人では、かなり進行した状況でみつかるケースも見られます。糖尿病は、きちんとした治療を行わないと合併症が徐々に進行していき、身体的にも経済的にも多大な負担をかけることになります。発症予防に注意していくことが必要です。

院長コラム:糖尿病について(2)