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腰痛について(3)
腰痛シリーズの第3回です。今月は腰部脊柱管狭窄症についてお届けします。腰部脊柱管狭窄症という病名は、あまり知られておらず、インターネットの調査で50歳以上の男女の約7割は病名を聞いたことがない答えました。福島県で調べた調査では、腰部脊柱管狭窄症が疑われる人は下記のグラフのように70歳代以上では約3~4割がかかっている非常に頻度が高い疾患です。
腰部脊柱管狭窄症は加齢によって脊椎の骨・椎間板・靭帯などが変化することによっておこります。図1に示しますように骨の変性があったり、椎間板が突出したり、靭帯が肥厚することなどで脊髄が入るスペース(=脊柱管)が狭くなり、脊髄の神経や栄養血管が圧迫され、様々な症状をひきおこします。具体的には、図3のように「しばらく歩いていると足のしびれや痛みが強くなり、前かがみで少し休むとしびれや痛みが取れて、また歩けるようになる。」というような症状がみられます。この症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼び、この症状を呈する患者さんの約9割ちかくに腰部脊柱管狭窄症があると言われています。図2に正常の患者さんと腰部脊柱管狭窄症の患者さんのMRI検査を呈示しました。矢印のように脊髄の入っているスペースが狭くなっていることがわかります。