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院長コラム:神経難病(2)

神経難病(2)

今回は神経難病の中でも有名な筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis=ALS)についてお届けします。名称が長いのでALSと略されて呼ばれることが多く、我々もALSもしくはアミトロと呼んだりしています。2014年夏、この病気に注目が集まりました。それがアイスバケツチャレンジという運動です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究を支援するために、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、またはアメリカALS協会に寄付する運動で話題になりました。2014年にアメリカで始まりfacebookを通じて社会現象化し、他国にも広がりました。参加者の中には多くの著名人が含まれており、一気に注目を集めたために寄付金の増加やALSの認知度向上に貢献したといえます。

院長コラム:神経難病(2)

この病気は先月も書きましたように1-2.5人/10万人の頻度でおこります。当院も開院して8年目を迎えますが、今までに1人ALSの患者さんがいらっしゃいました。

また多くの有名人がこの病気になられています。徳田虎雄さんは大変有名ですが、他にもたくさんの方がいらっしゃいます。

ALSは主に中年以降に発症し、運動神経が選択的にかつ進行性に変性消失していく原因不明の疾患です。症状は、ゆるやかな経過で筋力が低下し、筋萎縮が主体となり、進行すると上肢機能障害、歩行障害、構音・嚥下障害などが徐々に生じてきます。一般に感覚障害、排尿障害、眼球運動障害は生じないとされています。徐々に悪化するとベッド上の生活となり、気管切開や人工呼吸器による呼吸管理などが必要になってきます。現在の徳田虎雄さんはTVでも拝見しましたが、気管切開で人工呼吸器管理になっており、目の動きは妨げられませんので50音の表(コミュニケーションボード)を見ることによって、意思疎通を図っていらっしゃるようです。