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高尿酸血症(痛風)について(2)
高尿酸血症は年齢・性別を問わず、血液の尿酸値が7.0mgを超えるものと定義されています。健康な人の場合、1日作られる尿酸は600mgで、腎臓から尿と一緒に排泄されるものが3/4で、残り1/4が便や汗などによって排泄されます。一定量以上に尿酸が増えないようにコントロールされています。ところが、尿酸が作られ過ぎたり、尿酸の排泄機能が低下すると血液中の尿酸値が上昇し、高尿酸血症をおこします。
高尿酸血症が持続しますと、先月も説明しましたように足の親指が腫れて痛みをおこす痛風発作がおこります。それ以外にも腎臓の機能が徐々に低下して腎不全をおこし、下肢がむくみやすくなったり、腎臓・尿管・膀胱などに結石ができて強い痛み発作をおこしたりします。
高尿酸血症をおこすしくみには、次の3つのタイプがあります。
- 尿酸排泄低下型(60%) 日本人に最も多いタイプ
- 尿酸産生過剰型(12%)
- 混合型(25%)
- その他(3%)
では、高尿酸血症と診断されたらどうしたらいいのでしょうか?
上に治療ガイドラインを示します。尿酸値が8mg/dlを超えるか否かが1つのポイントです。
薬物療法としては、尿酸排泄が低下した場合には、尿酸排泄促進薬であるユリノームを使用します。また尿酸産生が亢進している場合には、尿酸合成阻害薬であるザイロリックを使用するのが一般的です。