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院長コラム:しびれ(3)

しびれ(3)

前回「しびれ」の各論に入り、a)脳疾患のしびれについてお届けしました。今回はb)脊椎・脊髄疾患の中でも頸椎によるしびれについて説明していきたいと思います。

院長コラム:しびれ(3)

写真1・2は56歳の女性のMRIです。もともと糖尿病があり、インスリン治療を行ってました。約2ヶ月くらい前から徐々に左上肢のしびれが出現し、かかりつけの総合病院内科で頭部CT検査されたものの異常がないと言われております。その後も左上肢のしびれが増悪するために当院受診となられました。受診時の状況は、血圧116/72mmHg・脈拍67・握力右27kg 左20kg・左上肢の巧緻運動障害(細かい動作ができにくい)と左上肢のしびれがみられました。右利きなので、わずかな左手の脱力があるのには気がついていないようでした。この患者さんのしびれの原因は第5/6頸椎の椎間板が脊柱管(脊髄が入っているスペース)内に突出する、いわゆる椎間板ヘルニアです。

写真1で白い矢印が椎間板が突出しているところで、写真2は圧迫部位の横断面で脊髄を左側から椎間板が圧迫しています。

院長コラム:しびれ(3)

この患者さんは手術で椎間板を摘出して十分減圧し、かわりにセラミックを骨と骨の間にいれることで脊椎を安定化させました。これによって左上肢のしびれは改善しました。写真3・4が術後の写真でセラミックが入り、椎間板ヘルニアが改善しているのがわかります。